以前、円板定義関数が定義するポンペイユ変換は単射ではないということと正方形の定義関数が定義するポンペイユ変換は単射であり反転公式を求めることをやりましたね。円板ではない図形が定義するポンペイユ変換は必ず単射であるという主張が $2$ 次元でのポンペイユの逆問題でした。

畳込みの公式を使えばポンペイユの逆問題を次のような同値の問題に変形することができます。「円板ではない図形の定義関数のフーリエ像は原点を中心とする円周を零点にもたない。」

このように問題を書き換えてから議論する論文をしばしば目にしますが、折角ヒルベルト変換を応用した方法を構築したのだから、環状項を経由して考えていきたいものです。

次回は、$2$ 次元の滑らかな狭義凸体に限定してポンペイユ変換を考えていきましょう。(written by J.Nishigata)

研究127- ポンペイユの逆問題と同値な問題