安直に考えるならば、$k$ に関するブラインド-デコンボリューションのコスト関数の最小値を $r$ で走査して、更に最小をとなるような $r$ を探せば良いのではないか、となるでしょう。しかし、実際にやってみると分かりますが、この方法では上手くいきません。

理由は $r$ に対してコスト関数の効き方が偏っているからです。コスト関数を $r$ 方向への使えるようにするためには $r$ 方向への校正が必要になります。

コスト関数に適当な $r$ の多項式を掛けて校正すれば良いでしょう。なお、理論的には正解の $r$ の左右で校正したコスト関数は単調に振る舞うので、$r$ は全数走査するのではなくディリクレの方法が使えます。ディリクレの方法を使えば、全数に対して $\log$ 時間で解が求まるので非常に効率が良いです。

今回はここまで。次回から遮断周波数を超えた領域の話題を扱います。(written by J.Nishigata)

研究103- PSF 径に関するブラインド-デコンボリューション