次のような状況を考えてみましょう。

\begin{align} &(a(\tilde{t})_0,a(\tilde{t}_1))\in A,\ a(\tilde{t}_1)-a(\tilde{t}_0)\neq \|a(\tilde{t}_1)-a(\tilde{t}_0)\|\nu(\tilde{t}_1),\\ &a(\tilde{t}_1)=0,\ \nu(\tilde{t}_1)=e_1 \end{align}

$\lim_{X\to m}t^+=t_0$ に対して $a(t_0)+re_1=-m\nu(t_0)$ なので、$r\to\infty$ の極限で $\nu(t_0)\to -e_1$ となります。したがって $a(t_0)\to a(\tilde{t}_0)$ すなわち $t_0\to\tilde{t}_0$ が成立します。一方 $\lim_{X\to M}t^+=t_1$ に対しては $\tilde{t}_1$ での曲率半径よりも $r$ が大きければ $t_1=\tilde{t}_1$ が成立します。

$\langle a(\tilde{t}_0),\partial a(\tilde{t}_0)\rangle\neq 0,\langle a(\tilde{t}_1),\partial a(\tilde{t}_1)\rangle=0$ なので、充分大きな $r$ に対して $\langle a(t_0),\partial a(t_0)\rangle\neq 0,\langle a(t_1),\partial a(t_1)\rangle=0$ となることに注意しましょう。

ここで $k_2$ の端点を考えてみると、$X=m$ 近傍では

\begin{align} k_2= \sqrt{\dfrac{2m}{1+m\chi(t_0)}}\langle a(t_0),\partial a(t_0)\rangle(X-m)^{-1/2}+c_2(X-m)^{1/2}+o((X-m)^{1/2}) \end{align}

$X=M$ 近傍では

\begin{align} k_2= c_4(M-X)^{1/2}+o((M-X)^{1/2}) \end{align}

すなわち一方の端点 $X=m$ でのみ $-1/2$ 次のオーダーで発散することが分かります。今回はここまで。(written by J.Nishigata)

研究141- 端点の一方のみで発散する積分核その１