既存理論上、遮断周波数を超える分解能改善は実現不可能です。したがって、我々の実験結果を既存理論で説明するならば「実験のどこかに誤りがある」という結論になります。

しかし、これまで確認してきた通り、遮断周波数を超える分解能改善には再現性と客観性があります。ここまでくると、最早実験結果を否定することはできません。

このような状況での物理学的方法は、「仮説を立てる」というものです。今回は、この仮説について考えてみます。

我々が観測しているものは光学像そのものではなく、STFT不確定性によってズレた像です。この不確定性の中に何かが入っていることは確実ですね。このことは、以前「観測窓のパラドックス」に関する思考実験でも特殊な場合に関して述べていました。

遮断周波数を超えるためには、開口から外れてしまった光子の情報が必要です。開口から外れた光子の情報がSTFT不確定性に含まれていると考えてみます。

突飛な発想に思われるかもしれませんが、我々はこのような現象をひとつ知っています。それは「量子エンタングルメント」です。すなわち、開口の内側と外側との間には非局所的な相関があると考えます。これを最終的に光子の性質に還元して法則化できれば仮説が完成します。

なお、これを裏付けるような「ホログラフィック宇宙論」の存在も興味深いですね。今回はここまで。次回は仮説と実験結果の因果関係を考えてみます。(written by J.Nishigata)

研究124- 遮断周波数を超える分解能改善を説明するための仮説について～その１