幾つかのパターンを挙げていきましょう。まず最初に思い浮かぶものは理論実験です。単純に数値的な結論だけであれば理論実験で充分なのかもしれません。しかし、我々が課題としているものは光学の問題であるため、具体的な光学的実体をもって実験をやらなければ物理学業界で認知されることは難しいでしょう。

今のところ光学系の精度が担保されている実験装置は望遠鏡と顕微鏡でしょう。このような装置の中で、光学モデルを阻害する要因を徹底的に排除していく必要があります。例えばシーイングを排除するためには宇宙望遠鏡、補償光学系、真空中での顕微鏡観察などの解が見つかります。

再現実験の必要性を考えるならば集光系の評価も必要でしょうし、センサのノイズ対策や除震対策も当然必要になるでしょう。場合によってはフォトンレベルでの制御が要求されるかもしれません。

理想を追求したら金銭的に限度が無くなってしまうかもしれませんので、まずは予算を絞り込んでできる範囲での実験をしていくことになりそうです。(written by J.Nishigata)

研究110- デコンボリューションの効果を証明するための理想的実験